安全運転で命を守る: 

PolyWorks®を効果的に活用するHumanetics 

 

衝突試験用ダミーの設計・開発・製造における世界的リーダーであるHumaneticsは、日々より高度な機能を備えた新しい設計の製品を生み出しています。PolyWorks|Inspector™はHumaneticsが業界をリードし続けるため、おもにデータ共有の側面からサポートをしています。 

Humanetics社は、一般に衝突試験用ダミーとして知られる擬人化試験装置(anthropomorphic test devices:ATD)において世界最大のメーカーです。グループ本社はアメリカ・ミシガン州ファーミントンヒルズにあり、世界各地に26の施設と1000人以上の従業員を擁するグローバル企業です

 

Humaneticsのテクノロジー主導の安全ソリューションは自動車、航空宇宙、軍事、消費財、その他多数の業界で需要を大きく伸ばしており、同社の業績は飛躍的な拡大を続けています。 

課題 

Humaneticsの品質部門はいくつかの課題に直面していました。「50年前に比べて最新世代のATDにははるかに多くの技術が詰め込まれています」と、シニアグローバル品質マネージャーのChad Myerick氏は語っています。「センサーや生体忠実度(bio-fidelity)に関しては、各種機能の公差を設定し、組み込むスペースを見つけることが非常に重要です」 
 

さらに、会社の拡大に伴って、品質検査チームの能力を向上するため、そして新規および既存の計測機をすぐに使いこなせるようにするためにも、ユーザーフレンドリーで習得しやすく操作も簡単な革新的な計測ソリューションが必要になりました。

Humaneticsは、オハイオ州ヒューロンの工場で衝突試験用ダミーを製造し、日々種類が増え続けている試験用センサーの設計と製造はミシガン州ファーミントンヒルズの工場で行っています。

 

 

この2つの拠点で標準化を行い、データの転送やナレッジの伝達ができるようにし、双方の計測機器間で一貫したプログラミングを行えるようにする必要がありました とMyerick氏は説明します。

シニアグローバル品質管理マネージャー、Chad Myerick氏

品質管理スーパーバイザー、Casey Unger氏 

さらに、品質要件も増大していました。「金型部品のエンジニアリングから、非常に複雑な部品の5軸CNC加工まで、ここでは何でもやっています」と、品質管理スーパーバイザーのCasey Unger氏は言います。


「私たちは毎日、新しいデザインやプロトタイプを目にしています。公差は厳しくなる一方です。より精度の高い部品を顧客に提供することが求められており、そのための体制を整えなければなりません」 

CMMのネイティブのソフトウェアを使ったプログラミングも非常に時間を要する難しい作業で、担当者には高度な訓練と豊富な知識が必要でした。品質管理部門では精度と完成度を維持したままこの業務をこなせる人を増やし、サイクルタイムを短縮しなければならなかったため、誰もが利用できるソリューションを求めていました。レポート作成にも課題があり、Unger氏も「印刷した図面に手書きで寸法を書いていました。また、古いCMMのレポートは読みづらかったです」と話しています。 

また、事業の拡大に伴って品質部門の義務と責任も増大し、新しいプログラマーも必要になったため、使いやすさのほかに手厚いサポートとトレーニングも成功に不可欠なものとなりました。 

Humaneticsの品質管理チームは部品計測にWenzel XO55 CMMとPolyWorks|Inspectorを使用しています 

解決策  

「我々の品質管理プロセスでは何年も前からPolyWorks|InspectorとPolyWorks|Reviewer™を複数の測定機に組み合わせて使っています」 

そう語るUnger氏は、PolyWorks|Inspectorに付属するCMMプラグインの1つを使い、CMMのプログラミングを試してみることにしました。Unger氏はポータブルアームでの寸法計測にPolyWorks®を使った経験はありますが、「CMMのプログラミングに関する知識はありませんでした。YouTubeで検索してトレーニング動画などを見てからCMMでのプログラミングに取り掛かってみたところ、思いのほか簡単で今までよりもずっとスムーズに行えました」と話します。 

CMMのレポートも以前のものと比べて格段に使いやすくなりました。PolyWorks|Inspectorでは図やグラフ、表、カラーマップなどを用いた検査レポートを容易に作成することができ、レポートの質と効率が大幅に改善されました。 

品質管理部門がサポートを必要とするときも、PolyWorksの優れたテクニカルサポートのおかげで業務を中断することなく問題を解決することができました。 

PolyWorks|Inspectorは主要な測定機メーカーのCNC三次元測定機、ポータブルプローブ測定機、点群スキャン装置に接続可能な理想的なツールです。Humanetics社は計測結果をコンスタントかつスピーディに各エンジニアリング部門や機械工場スーパーバイザーなど関係者に送ることができるのです。 

現在、2つの工場間で共通の計測ワークフローを通じて、同じプラン、検査およびレポート作成のプロセスを活用しています。

メリット 

ユニバーサルプラットフォーム 

「高度成長期にあるHumaneticsでは、資本設備は現在使っているソフトウェアに対応するかを基準に選定されるようになりました」とUnger氏は付け加えます。PolyWorks|Inspectorは、Humaneticsが使用しているポータブルアーム、CMM、3Dスキャン装置上で動作し、複数のソースから正確なデータを効率的に共有できます。

 

ユーザビリティの向上 

HumaneticsはPolyWorks|Inspectorの導入によりCMMのプログラミング時間を平均76%短縮でき、しかも操作が簡単で、新しい従業員でもすぐに習得できると報告しています。 

スキャナーとPolyWorks|Inspectorによる骨盤スキャン

ミシガン工場ではCMMプログラマーの退職後、Unger氏のようにポータブル機器でPolyWorksの使用経験がある人を採用することができました。Humaneticsは彼女のPolyWorksの基本スキルを評価し、CMMの担当に抜擢しました。PolyWorksのソフトウェアは使いやすく、優れたテクニカルサポートを受けられるため、順調に業務を引き継げるはずだと確信していたのです。 

このようにして、Humaneticsはスタッフの入れ替わりという避けられない問題を柔軟かつスピーディに対処しました。 

PolyWorksのユニバーサル3D計測ソフトウェアは、異なる測定機で同じソフトウェアを使用することを可能にします

レポート作成の改善 

すべての測定機からのレポートが標準化されたため、結果の解釈の精度が高まり、重要な部品の製造上の変更を行いやすくなりました。「データの共有も容易になり、設計上の決定を正しく伝達できています。これらの部品には多くの先端技術が次々と組み込まれるので、それに対応するためには直感的に操作できる計測ソフトウェアが必要なのです」とUnger氏は説明します。 

「PolyWorks|Inspectorのおかげで、なすべきことが見えてきました。次は3Dスキャンやリバースエンジニアリングのような機能を追加したいと考えています」とChad Myerick氏は言い、最後にこう結んでいます。

「私たちは1950年代から最新のものに至るまで、ダミーのあらゆる部品の寸法に関する知識を網羅し、適切なタイミングで情報の伝達や共有を行う必要があります。PolyWorks|Inspectorのおかげで、当社は常に時代の最先端を歩むことができています」

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