PolyWorks|Inspector™の活用により、測定・検査業務の大幅な時間短縮と業務効率アップを実現。

フジ技研社は、1988年の設立以来、自動車用シート試作、自動車試作品、少量量産・補給事業、治具製作の4本の柱を軸としたビジネスを展開しています。

三重県の本社、鹿児島工場とタイ工場の各拠点をネットワーク化し、合理的で効率的な生産体制を組み、きめ細かくスピーディに、主に自動車メーカーのお客様のニーズに対応し、高品質な製品を提供しています。
 

 

 

また、3次元システムを生産に関わるすべての工程に活用し、自社でプレス、金型、型治具の製作、設計、開発、測定、検査、組み立てまでの全工程をトータルサポートできる体制を強みとし、競争力のある会社として、日本の製造業の開発支援と製作に尽力しています。

課題

フジ技研社で使用している3次元測定機は、FARO® Arms、FARO ScanArms、Mitutoyo® 3次元測定機、Mitutoyo非接触レーザプローブ、OPTON® クラウドフォーマ、HEXAGON® BLAZE 600Mと多種多様です。
PolyWorksソフトウェア導入前、測定結果は図面寸法に基づき紙に書き込んでいました。測定業務に関わるオペレーター13、14名が、測定機毎に専用のソフトウェアを使用して測定業務を行い、エクセルデータに測定結果を手入力し、お客様に提出していました。

そのため、測定者が限定されてしまう、測定機毎にオペレーターが必要、トレーニングや習熟に時間がかかる、教育が難しい等、いくつかの課題がありました。また、最大の課題は他社のソフトウェアでは大容量データを開けない、開くと動作が重くなって落ちてしまうことでした。 

課題解決につながった2つのきっかけがありました。1つ目は、九州工場のお客様(自動車メーカーのPolyWorksユーザー様)からPolyWorksで測定結果を提出できないかというご要望があったこと、2つ目はHexagon BLAZE 600Mの導入によりプラットフォームと作業の統一化の必要性がありました。

解決策

Hexagon社からの薦めもあり、フジ技研社はPolyWorks Japanに連絡し、PolyWorks|Inspectorソフトウェアのデモ依頼をしました。その後、営業担当者とアプリケーションスペシャリストが訪問し、FAROのアーム型測定機とMitutoyoの3次元測定機でどのように活用できるかについてデモを実施しました。また、PolyWorks Japanはお客様の要件に基づき、3次元測定機を使用して動作確認を行い、フジ技研社のオペレーターにPolyWorksによる測定方法の詳細を説明しました。

品質保証部は、アーム型測定機だけではなく、3次元測定機にも直接接続できるユニバーサルソフトウェアプラットフォーム、PolyWorks|Inspectorの導入を決めました。さらに、PolyWorksが社内ネットワーク上のすべてのPCで使用できるフローティングライセンスであるという点も重要でした。今では大半のメンバーが講習を受けました。PolyWorksソフトウェアは操作が簡単で、測定機のプラグインにより、ポータブル測定機と3次元測定機で使用できるため、便利です。品質保証部では、PolyWorksをアーム型測定機で使用し始め、その後すぐに3次元測定機で使用しました。また、1つの検査プロジェクトに対していくつかの測定機で使用可能です。FARO ScanArmsの大容量データも問題なく開けて、操作できます。

運用が軌道に乗るまで、PolyWorks Japanのスペシャリストが定期的にフジ技研社を訪問し、課題に対しての解決法を提案しました。PolyWorks導入後、全体の業務効率が大幅にアップしました。「測定・検査業務全般にPolyWorks|Inspectorを使用しています。PolyWorksは直感的に簡単に操作できます。CADモデルを使用して、測定ポイントの設定の前準備ができ、測定業務をスピーディに完了できるので、業務効率が上がりました。測定ポイントを簡単にレポート作成できるのも便利です。事前に測定箇所を資料としてお客様に提出できるので、準備が楽になりました。」と品質保証部 課長 小高 克徳氏は述べています。フジ技研社では、お客様からスキャンデータを取ってほしいという要望が多く、点群処理に優れたPolyWorksを活用し、特にアーム型測定機の業務全般では、レーザースキャンによるカラーマップ機能を頻繁に利用しています。スキャンは、リバースエンジニアリングに最適なSTLデータの作成にも使用できます。以前は紙ベースで提出していた検査表をPolyWorksデータで提出できるようになり、お客様がデータで検査結果を確認できるようになりました。

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多種多様な測定機をPolyWorksで統一化、
一元管理することにより、業務効率が大幅にアップしました。
 

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FAROのアーム型測定機でスキャンしたデータをPolyWorks|Inspectorに取りこみ、測定、検査、レポート作成を効率的に実施しています。

効果・メリット

PolyWorks|Inspectorにより、フジ技研社の業務効率が向上し、測定・検査業務の時間を大幅に削減できました。「PolyWorks|Inspector導入後、レーザースキャン後の大容量データが問題なく開けて、スピーディに測定業務ができるようになりました。さらに、プラットフォームの共通化によって測定機の使用頻度が増えました。オペレーションの統一化により業務効率が向上し、女性スタッフも簡単に測定業務を実施できるようになりました。大半のオペレーターがPolyWorks|Inspectorを使用できるため、トレーニング時間とコストも削減することができました。」と代表取締役 専務 佐藤 滋氏は述べています。「その結果、会社全体の生産性が上がっています。今後、測定機を導入する場合は、PolyWorksに対応しているメーカー、機種を基準に選定します。」と佐藤氏は続けました。PolyWorks導入後、作業時間を大幅に短縮できています。
 
「他社ソフトでは事前に設計者に作業を依頼する必要があったので、作業が2人で合計8時間かかっていました。この作業には点群データのメッシュ化や大容量データが測定用ソフトで開けない場合の不要なデータの削除が含まれます。PolyWorks|Inspector導入後は、スキャンしたデータの編集と測定・検査業務を1人で約3時間でできるようになりました。データ編集の工数が削減できたので、作業時間が大幅に短縮されました。その結果、残業が減り、定時で帰宅できる社員が増え、働き方改革にもつながっています。 」と総務部 秦 耕平氏は述べています。

PolyWorksを活用した実行プラン

フジ技研社は、今後の検査プロセスにおいて、PolyWorksをさらに活用していきます。

  • 拠点間でPolyWorksユニバーサル3D計測プラットフォームの運用方法を統一化
     
  • 3次元測定で非接触測定を行えるハードウェアの選定
     
  • PolyWorksを使用しているお客様に測定結果をPolyWorksデータで提出し、PolyWorksを使用していないお客様に無償のPolyWorks|Reviewer を提案し、結果の確認と解析を相互に行うことを検討

将来の事業展開

また、フジ技研社は、計測データ管理ソリューションPolyWorks|DataLoopの導入を検討中です。「現在、製造過程中の解析案件の強化を検討しています。品質保証は当然という前提で、さらにプラスアルファで製造途中の製品の組成、変化点、レーザースキャンのカラーマップ提出等の依頼が増加しているため、高まるニーズに対応していくことが目標です。途中過程のデータ、フィードバック、測定、設計レベル、解析、差異、合否判定、CAD上のばらつきを測定で取得してほしい等、お客様のご要望にお応えするためには、経緯や過去データ管理、パワフルな検索機能、データ共有が必要不可欠です。次のステップとしては、計測データ管理ソリューションPolyWorks|DataLoopを導入し、帳票の統一化、計測結果の管理の効率化を目指します。」と代表取締役 専務 佐藤 滋氏は話を結びました。

フジ技研社では自社内で開発、設計から完成まで一貫したサービスを提供できるため、ビジネスが集中しています。業務内容には試作品と少量量産があり、今後、事業としては少量量産の仕事が増加していくことを見込んでいます。PolyWorksソフトウェアの活用により、生産性・業務効率の向上、作業時間の短縮を実現し、迅速に高品質な製品を製造し続けています。